NOCEの家具バイヤーズブログ 2011年03月

NOCEのバイヤーズブログ

2011年3月25日

今週は、大変な事ばかりが起こり続けています。
自分の住んできた街で水が飲めなくなったり、
食料品が手に入らなくなったりと今までどれだけ幸せだったのかと
考えさせられました。
今週の3連休の最終日ですが、
本来一年で一番家具の売れる日のはずでした。
ただ雨が予想されていてしかも「あの事故以来初の雨」という事で
放射能の数値が上がると予想し
上司に報告して関東圏の店を休みにしてもらいました。
幸い、街はパニックにはなりませんでしたが、
あの日の雨のなかの放射能含有率は物凄く高い数値でした。
結局これが、水道に混じりその数値も上がってしまったわけです。

週末は雨は新潟を除いて降らないようです。

今週の新商品のご紹介は、斬新なデザインのソファです。

0325OSLU 2P LTGY1.jpg OSLUソファ 2人掛け ライトグレイ22
¥49,800

幅146×奥行86×高さ65(42)cm
Made in China

0325OSLU 2P LTGY2.jpg


0325OSLUアームチェア GY1.jpg OSLUアームチェア グレイ2
¥35,800

幅86×奥行86×高さ65(42)cm
Made in China

北欧モダンの匂いがプンプンとしそうな丸みを帯びたソファです。
フロントビューは、特に変わった表情もなくどこにでもありそうな
スカンディナビアンデザインの王道といったものですが、
サイドビューにはかなりインパクトがあります。
このソファの最大の特徴である丸みを活かしたアーム部分は、
全体を柔らかくするというよりも、むしろ引き締めています。
この「丸み」はユーロデザインの得意とする手法ともいえ、
「ミラノサローネ」に象徴される(ミラノで毎年開催される展示会。現在は
場所を移し、テーマも以前とは少し異なる)イタリアモダン全盛のころにも
よく見られたものです。

背もたれ部分とアームの上部を付けてライン(上部)を水平に
持っていく手法は見事であり、美しくもあります。
そしてテーパード(先が細くなる)の脚が「ハの字」ではなく
前に突き出されているためソファらしい「ゆったり感」を感じることできます。
脚は、アッシュ材につや消しのクリアラッカーが施されていて
木目が大変きれいにでています。

ファブリックの色は、ライトグレイとグレイの2色です。
どちらも落ち着いた色でクセのあるデザインを薄めています。

存在感が強いので部屋を選んでしまいそうですが、
わりとどこでもすんなりと溶け込めそうです。
ファブリックの色が落ち着いているという理由もありますが、
デザインの中の丸みが
どこか懐かしい50’sの香りがするからなのかもしれません。
カフェ系からモダンまで全て対応できそうです。

価格は、49,800円とこのデザインとクォリティを考えれば安いと思います。
是非一度実物をご覧いただければと思います。

ソファの色がプレーンなので
ローテーブルは、BF5885など色のついたものが似合いそうです。
淡いローソクの灯りにゆるめのカフェミュージック、
かるいつまみとお酒があればしばしいやな事も忘れてしまいます。



冒頭にも書きましたが、最近起こる事象全てが
信じられない事ばかりのような気がします。
なんとも言えない恐怖感。
僕もいつもより「酒」を飲む日が増えました。
それは少し違う理由もあります。
もちろん「やってられない!」っていうのもありますが、
夜の「暗い下北沢がなんともいい」からです。
何故か暗いのに異様なほど盛り上がっています。
昨日も卒業生の飲み会が多いのか久々に歩けない夜の7時でした。
「ついつい釣られて」と飲んでしまうわけです。
放射能の下に平等なのでしょうか、
みんな「いいや!」って感じなのか妙に現実感がありません。
やはりレトロな街は暗いほうが似合います。
今の難関が去って電気が回復してもこのままの方が僕は好きです。

とはいえ、放射能が降るとか水や食物が無くなるなど
怖くないわけありません。
西に逃げるチキンレースなどまっぴらです。
そこで「この恐怖の源はなにか」という事で必死に勉強しました。
わからないほど怖いことはないからです。
「物理なんて数字なんだ。やればだれだってできるようになる。」
ですか?(少し違うか)

問題は解釈だと思います。
自分で理解するしかありません。
今、東京の放射線量はネットで公開されている新宿の数値で
0.13マイクロシーベルト/毎時です。
毎時なのでこれに24時間と365日を掛ければ一年に浴びる量がでます。
これは、時速に少し似ています。
よく、カーナビで目的地をセットするとその時の速度によって
画面の到着時刻が随時変わってきます。
これは平均時速と距離を瞬間的に計算するので
平均速度が速くなれば時刻も早くなり遅ければ到着時刻も遅くなります。
ただ、それはあくまでも現在の予想された到着時刻であり
実際到着しなければわかりません。
現段階の量は目安の一年の許容量を
24時間ずっと外に居ると仮定すれば超えてしまいます。
ここをどう解釈するかなのです。
一年間外に居る人はおそらくいません。
また、放射能のレベルが下がれば問題はなくなるからです。
つまり、現段階で「逃げるか、逃げないか」はあくまでも本人の判断でしかなく
誰も安全とも危険とも言えません。
逆に不測の事態で数値が上がったとしても
慌てて逃げる必要はないということです。
到着時間が多少早まるだけで今日明日ということはないからです。
ところで僕は仕事を休むことも引っ越すことも出来ません。
故郷の東京を捨てるには覚悟とお金が必要です。
ただ、自分の判断でこれは無理だと判断すれば
意固地になっているつもりはないのであきらめます。
今はその時期ではないと思っています。
下北沢ではあの地震の晩も異様に盛り上がっていて
各所で帰宅できない人同士でアコギの路上ライブをやっていました。
深刻さがないと揶揄する人もいるでしょうが、
僕はなんだかうれしくなってしまいました。
最近、TVCMの「あそぼうっていうと」というものが
覚えてしまうほど流れています。
昭和初期の女流詩人の金子みすゞによるものです。
画面のほのぼのとしたものとは反対にすごく重いものです。
26歳で服毒自殺をした彼女の短い人生は壮絶なものでした。
どの詩もシュールで童謡ではなく戯曲です。
例えばこれは「つもった雪」という詩です。

上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。
下の雪重かろな。
何百人ものせていて。
中の雪
さみしかろな。
空も地面もみえないで。

うーん。たまりません。
雪が降っていてピアノソロでもかかっていれば確実に泣きます。
ここで「あそぼう」なわけです。
結構、重いテーマです。
こだましかしない人間関係は誰でもなのでしょうか。

下北沢からまたひとり西へ帰ってしまいました。

「飲もう」っていうと
「飲まない」っていう。

「帰るの」っていうと
「帰らない」っていう。

「怖い」っていうと
「怖くない」っていう。

そうしてあとで
あやしくなって

「本当に帰らない」っていうと
「本当は帰る」っていう。

「こだま」でしょうか。
いいえ、「のぞみ」で。

 
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  1. 2011/03/25(金) 10:47:03|
  2. バイヤー&スタッフのブログ

2011年3月18日

まず始めに、
東北地方太平洋沖地震で失われた尊い命にご冥福をお祈り申し上げ、
また被災された方々に心よりお見舞い申しあげます。

先週、僕のブログをアップした直後にあの地震がおきました。
立っていられないほどではありませんでしたがかなり揺れました。
電車は止まり、街は人々の悲鳴に包まれ、棚から物が落ち散乱しました。
やがて、街は移動手段を失った人々で溢れ返りました。
見慣れた下北沢が違う街のようでした。
震源が東北地方とわかり寒気がしました。
「東京でこれだけの揺れがあれば、
東北はどれだけ大きなマグニチュードだったんだろう」と。
NOCE仙台店の本社モニターは、
検品作業中に崩れていく荷物をおさえるスタッフを残し
シャットダウンされました。
一般のテレビの画面には見たこともないような大津波が映っていました。

あれから今日でちょうど一週間がたちました。
被害の状況は、刻々と信じられない事実へと変わっていきました。
翌日、心配していた仙台スタッフとようやく連絡がとれました。
寒いところでお互い毛布にくるまって一晩すごしたそうです。
本当に無事でなによりでした。
そしてなんとその翌日から、店を片付けて
NOCE仙台店は地震から4日後にオープンしました。
(場所は仙台の街の中心、店内の家具も相当数ダメージを受け、
レジもバラバラでした。
上司や役員が「やれ」と命令したわけでは決してありません。)
その後、あまり影響がないと思っていた東京も大変な事になりました。
停電と電車の運休、そして原子力発電所の爆発による放射能の恐怖。
あの金曜日からいつもの生活が変わってしまったのです。
街には灯りも物もなくなりました。
人もいなくなりました。
「いつ放射能が降って来るのだろうか、電車は突然止まらないだろうか、
東京に余震はこないのだろうか、富士山は爆発しないのだろうか。」という
不安の中で毎日生活しなければならなくなったのです。

本来、僕は昨日から5日間の出張で香港、中国に行く予定でしたが
全てキャンセルしました。
この時期、東京から避難する人で満席の飛行機で
「もったいない」という外人もいましたが心配で行けるわけありません。
心配して、数々のメールが各国からきました。
全てのメールにひとつひとつ心をこめて感謝の気持ちと
これからのビジネスについて返事をしました。
電話で「Are you O.K.」と言われるのですがOKのわけありません。
東京の外国人には退去勧告がでています。
すでに東京を捨てた人も数多くいます。
ルフトハンザは成田乗り入れ中止です。
原宿のファーストファッションの店は当分クローズです。
国際電話で「放射能だいじょぶか?」って
どうやって返事すればいいんですか。
初めて「大丈夫?」と聞くことが相手を傷つけてしまうことを知りました。

NOCEは今のところ仙台をはじめ関東、新潟全店舗で
営業時間は限定的ながら営業しております。
これは、この時期でもご来店いただけるお客様がいらっしゃるからです。
もちろん不測の事態が起こればばこの限りではありません。

今、僕はバイヤーではなくモニターを上司から命令されています。
海外メディアの原発に関するニュース、ブログなどのチェック、
そしてNOCEのある街の放射能、気象、交通停電の状況をずっと見ています。
なにか変化があればすぐに上司に報告して
店舗をクローズさせなければならないからです。

こんな時だから見えてくる事もあります。
「下北沢が好きだ」と言って街が壊されていく事に憂慮していた人です。
「ちょっと大阪の実家で用事があってね、しばらく帰れない」ですと。
最後に一杯の時間もないそうです。
駅で東北地方への災害募金をやっていました。
普段どんな時でも「しない」と言っていたのに
「札」を募金箱に入れるのは少し違うと思いつつ
「この人ともう会うこともないだろう」と思って見送りました。
「放射能の下、みんな平等じゃなかったんじゃないの?」と街を歩くと
夜の7時だというのに灯りが消えてほぼ真っ暗でした。
キャンドルナイトという催事で
街の灯りを消してキャンドルで過ごそうという企画です。
それが本物の暗さではなかったということが改めてわかりました。
真っ暗な下北沢。
でも僕はこの方が好きです。
時間がまき戻されていくようです。
バーがろうそくの灯りにオレンジ色に揺れていました。
灯りの中、アコギ1本でライブをやっています。
店に入ると寒さのなかに一杯のシャンパンが染み込んでいきます。
「爆発したらどうする?」と聞かれたので
「これが最後の晩餐になって、
こんな下北沢もあったねと思い出にきざまれるはず」と
ろうそくをその辺の客と分かち合いグラスを捧げました。
帰りにあの「マサコ」のあとに建築中のビルの横を通りました。
多分、この商業複合ビルが完成すれば
街を呑み込んでしまうかもしれないビルです。
綺麗な飲食店も多数高層階に入り
この辺の飲食店も減ってしまうのではないかと心配していました。
多分、ここのオーナーは外国人のファンドのはずです。
「早く母国に帰ってこのビル手放して困っている被災者の方々に開放しろ。」
と叫びました。
そうすれば「マサコ」の恨みもはらされるはずです。(少し違うか)

  1. 2011/03/18(金) 04:49:29|
  2. バイヤー&スタッフのブログ

2011年3月11日 なごり雪

今週は、表題の通り週の初めに
「なごり雪」が降り先週に引き続き寒い日が目立ちました。
週末は、NOCEのある地域では札幌を除いてほぼ天気に恵まれるそうです。
特に日曜日は暖かくなりそうなので
お出かけにはピッタリになりそうなので街に出てみてはいかがでしょうか。
その際は是非NOCEをご覧いただければと
お客様のご来店を全国スタッフ一同心からお待ち申し上げております。

今週の新商品のご紹介はどことなく懐かしい香りのする
ショーケースです。

まず、T00012から。

0311T0012BR.jpg T00012グラスキャビネット ブラウン
¥98,000

幅114×奥行50×高さ103cm
Made in China
※部分組立(ガラス板設置)

デザインはまさにレトロそのもので、1960年代のパン屋、
または菓子店などを連想させるものがあります。
現在は、雑貨店やアパレルの小物展示、
アクセサリー店などの飾り棚として見ることができます。
デザインの特徴としては、前面のガラス部分を斜めに切ることにより
中にある2段目、3段目の物がよく見えるようになっています。

前後、サイド、上部、棚まで全てガラスでできていて
まさにショーケースそのものと言った感じです。
このガラスと木のコンビネーションが絶妙でプロユースのみならず、
一般のお部屋でも充分インテリアとして威力を発揮します。

スタイル的には、カフェ系ですがこの家具の存在感から
モダンでも十分使えそうです。
レトロなグラスや陶器製の食器、箸やカトラリー、
デザインされたスパイススプリンクラー(調味料入れ)などが
似合いそうですが、
お気に入りのシャツをたたんで収納してもいいと思います。

このキャビネットは、ショーケースだけに
開閉は後ろについている引き戸です。
これが本格的でたまりません。
予算に関係なければ2つならべてカウンター代わりに
部屋の間仕切りにも使えそうです。
漆くいの壁、使い込んだフローリングに裸電球、
想像しただけでも微笑みがでてしまいます。

そして素材は、パイン材にガラスというシンプルなものになっています。
色はホワイトと「ウォールナットステイン」の2色になっています。

価格は98,000円と高く感じますが、
まずあまり見かけない商品で
ほぼ特注である事を考慮すれば決して高くありません。


次はT00061です。

0311T00061BR.jpg T00061グラスキャビネット ブラウン
¥98,000

幅120×奥行45×高さ103cm
Made in China
※部分組立(ガラス板設置)

これは先程ご紹介させていただいたモデルの前面の傾斜をとって
垂直にして、前脚をハの字に変えたものです。
この結果よりレトロ感が増して、アンティークジュエリーや
ヴィンテージのウォッチ、アンティーク小物、ブリキのおもちゃなどが
似合いそうなデザインになりました。

用途やフィーリングはT00012とあまり変わりませんが、
より「レトロ」感が強調される分だけカフェ系の色が濃くなります。
そしてよりシンプルな形となったので中の物が映えるかもしれません。

これも後ろ側に引き戸が付いているので
壁に着けて使用する事はできませんが、間仕切りには最適といえます。
そんな贅沢な部屋はそうそうないとは思いますが、
これを2台つけないで1台ずつ独立させて置いて
中身をテーマに分けてディスプレーするのはいかがでしょうか。
また、単体でもダイニングテーブルとソファの間仕切りに使えます。
いずれにしてもショーケースなので中に入れるものが重要だと思います。

素材も価格もT00012と同じで、98,000円です。

今日ご紹介させていただいたショーケースは
どちらもアンティークで色の付いたなものが似合いそうです。
食器も白ではなく、古伊万里の藍染め系の食器、
色の付いたレトロなブリキの缶、ファイヤーキングの食器、
江戸切子やビードロからヴィンテージのGパン、観葉植物、
ポテトチップ(なるべくレトロなパッケージ)チキンラーメンまで
全部ディスプレーしても違和感がありません。
自分の趣味の世界に没頭できるというわけです。

また、ホームパーティの時は、「カフェごっこ」が楽しめます。
裸電球の下でカフェミュージックでも流せば
気分は完璧「カフェタイム」にスリップします。

実際の雰囲気や質感を写真だけで表現するのは難しいので
是非NOCE各店(在庫のない店もございます。)で
実物をお確かめいただければと思います。



先日、雪の降る日に「雪の北アルプスに1泊旅行」でもと思ったのですが、
予算も時間もないので「行ったつもり」で
雪の「イタリアンリストランテ」へと旅立ちました。

その日は、2月の終りだというのに
東京でもめずらしく雪が降っていた。
0311-1.jpg

















東京の雪は、アルプスの雪と違い水分が多く含まれ
あまり積もることはないという。
0311-2.jpg 私は松本に出かけるため、
自宅から成城学園の並木道を駅に向かい歩いていた。
0311-3.jpg

















粒の大きい雪が傘の上に音をたてて当たる。
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どんよりとした空から見慣れた街に白い雪が落ちる様を見ていると
「東京も捨てたもんじゃない」と思う。
0311-5.jpg

駅の階段をのぼり
0311-6.jpg











ホームで電車を待つ。
0311-7.jpg

















朝のラッシュアワーしか知らない私には、
静かな線路に降る雪はとても新鮮だ。
0311-8.jpg 電車が来た。


















各駅停車だ。
0311-10.jpg










いつもは先を争い、少しでも早く目的地に着くべく急行に乗るのだが、
たまに取れた休暇である。

新宿からの特急にはまだ時間がある。
少し躊躇した後、閉まりそうな扉から飛び乗った。
0311-11.jpg 代々木上原を通過する頃、
雪は本格的になり僅かだが地面を白く換えていた。
0311-12.jpg











私は車窓を過ぎる東京の雪と冬を見ていた。

新宿で「特急あずさ」松本行の乗車券と特急券を買う。
0311-13.jpg










いつもの出張ならば私の研究室の新米医師が
インターネットでさっさと買ってくれるのだが、
今日は自分で買わなければならない。

自動券売機っていうやつは実にやっかいだ。
生意気に慣れない私に命令してくる。
しかも何度も確認してくる。
まごついているとコートと髪を濡らした若い女性が
「お困りのようですね」と微笑みながら声をかけてきた。
「なれないものでね」と答えると「どちらまで」と返される。
彼女は自動券売機とあたかも会話するように
流暢に操作しあっという間に「特急あずさ」の券を私に手渡した。
私は、礼を告げて
「いいえ」と立ち去ろうとする彼女に傘がない事に気付いた。

「私はもう使わないと思うので」とお礼に傘を差し出すと、
「いいのでしょうか」と少しためらいながら受け取ると軽く会釈をして
雪の新宿南口に消えていった。
0311-14.jpg さっき私の傘の上で響いていた雪の音が今は彼女の上で響いている。
そして私の手には松本行のあずさの切符が残った。
お互いに必要なものを交換しただけである。
僅かなぬくもりを添えて。

ホームに降りて
0311-15.jpg

















特急あずさ松本行に乗り
0311-16.jpg 席についた。
0311-17.jpg

















スキーにでも行くのだろうか。
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大勢の若者たちの会話が明日のパウダースノーを期待し車内を舞う。

間もなくあずさは、松本に向け
0311-19.jpg 動きだした。
0311-20.jpg










売店で買ったあたたかなお茶がいつもよりうまい。
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薄い雪化粧の東京をあずさが疾走していく。
0311-22.jpg 昨日の学術会フォーラムでの学生との熱いディベートのせいか、
車内の若い声が子守唄に変わるのに時間はかからなかった。
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松本を告げるアナウンスで目覚めると、
3時間がわずか30分のように感じられた。
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そしてあたりは、
0311-25.jpg すっかり銀世界だった。
0311-26.jpg











雪の中を走るあずさは、
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速度を落とし終点松本に着いた。
0311-28.jpg エスカレーターを降り
0311-29.jpg










タクシーに乗る。
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街に雪がない事に驚いている私に
0311-31.jpg 「最近はヒートなんとか現象で山で降っても街中では降らない」のだと
運転手は言う。

大学に向かう坂の途中に目的のリストランテがある。
0311-32.jpg

















ウエイティングルームで程なく友人と合流し












チーフマネージャーにメインダイニングへとエスコートされ、
0311-34.jpg 雪の見える回廊を抜けて
私たちは席に着いた。
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窓の外は雪である。
0311-36.jpg 本来見えるアルプスも今は吹雪の中であろうか。
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麓のリストランテが雪と共に暮れてゆく。
0311-38.jpg

















再会のテーブルの向こうには松本の灯火があった。
0311-39.jpg 細かい雪が細い枝にまとわりついて花を咲かせていく。
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昔話も飽きた頃、
0311-41.jpg
















私が今日、新宿であった出来事を話すと
「俺も最近車内で立っていると席を譲られる事が多くなった」と
友人が苦笑する。

スプマンテ、シャルドネ、ピノネロ、ネッビオーロ、サンジョベーゼと
3人で時間を忘れるほど飲んだ。
0311-42.jpg











最後にこのリストランテの「伝説のティラミス」を
グラッパと一緒にいただく。
0311-43.jpg










程よい甘さとエスプレッソの香りがグラッパと共に融けていく。

予定のない次の再会を約束し、私は駅に程近いホテルに帰った。

その晩、夢をみた。
入学したばかりの小学生である私は、
祖母に買ってもらった真新しい鞄をさげていた。
突然、雨が降りはじめ土砂降りに変わった。
私は鞄を濡らさないようにシャツで覆いながら雨宿りをする。
それでもシャツを貫通して雨は容赦なく鞄を濡らしていく。
濡れていく鞄を守りきれない無力さに私はむせび泣いた。
すると和服姿の祖母がそっと
「そんなに泣かなくてもいいでしょう」と傘を差しのべてくれた。

その傘は、私が新宿で、濡れていた若い女性に差し出した傘だった。

この話はフィクションですが、
実在するものと実体験から構成されています。

<実在しないもの>
成城学園に住む大学病院勤務の初老の医師、教授。
写真は成城ではなく下北沢。
昨日のフォーラムでのディベート。
本当は下北沢でのディープな飲み会。
新宿での傘にまつわるエピソード。まだ困ったことはない。
松本。本当はあずさで30分で到着する八王子。
懐かしい友人。僕の「雪の国」計画に賛同してくれたいつもの友人。
リストランテですが、松本ではなく八王子にあり、
伝説のティラミスも実在します。
駅に近いホテル。その晩は家に帰りました。
そして、「無いもの」の中に
あのティラミス後の僕の記憶も入れておきます。

  1. 2011/03/11(金) 10:41:33|
  2. バイヤー&スタッフのブログ

2011年3月4日 ひな祭り

今週は冬に戻ってしまったように寒い日が続きました。
下北沢でも雪がちらついた日もありました。
今朝も北風が強く体感温度は0度近いものがありました。
週末NOCEのある地域では、広島と新潟を除いて天気はよさそうです。
日曜日は暖かくなりそうなのでお出かけには絶好になるかもしれません。
お出かけの際には是非NOCEにお立ち寄りいただければと
全国スタッフ一同お客様のご来店をお待ち申し上げております。

今週の新商品はかなり個性的でインパクトのあるキャビネット2つを
ご紹介いたします。

まず始めにT00142キャビネット。

0304T00142.jpg T00142キャビネット
¥98,000

幅120×奥行45×高さ97cm
Made in China

正方形をしたドロワーを縦4×横6の計24個配列させたキャビネットです。
これだけでも個性的なのですが、
その前板に杉の木に様々な配色でステインさせたものが付いているところが
更にこの家具を特徴付けています。
又、通常ならば側板は、前板にならってブラウン系なのですが
あえて真白(100%ホワイト)にするところも印象的といえます。
この個性的な印象がモダン系でも充分対応できる雰囲気を出しています。
24杯の引き出しにはCDを入れてもリネン類やインナー、
ソックス、テーブル周りの小物、スパイスと
入れるものは「なんでもあり」です。

そして前版の色ですが、手作りなので同じ色のものはありません。
あくまでも類似したものとなるわけです。
このため大変勝手な話ではありますが、
写真をご覧になってご購入いただいても
写真と全く同じ物をご提供する事ができないのです。
ただ裏を返せば世界にひとつということになりますので
所有価値は高いものになるかもしれません。
また引き出しはシンプルな作りになっていますので、
引き出しを自分で好きなように入れ替えて
好みの配色にする事もできます。

木の風合いを活かしてあるので、
これだけ個性的なデザインにもかかわらずそれ程クセはありません。
また小さく区分けされているので
細かいものを分類して収納するのに最適です。
ショップユースでも活躍しそうです。

価格は98,000円になります。



続いてT00146キャビネットです。

0304T00146.jpg T00146キャビネット ブラウン
¥98,000

幅170×奥行34×高さ90.5cm
Made in China

アパレルのお店でよく見るキャビネットです。
シャツやシューズを色やサイズで分けて収納して
キャビネットの上にディスプレイするといったものです。
ヨーロッパではよく見かけるのですが、
日本ではヴィンテージ系のお店でしか見たことがありません。
前に友人がアンティーク店で買ってきたのを
うらやましく思った事がありました。

24杯の収納棚にアンティークな縦の波ガラスの扉が付いています。
これだけでもこの家具が好きな人にはたまりません。
実際ショップでご使用されるお客様は、用途は限られてしまいますが、
ご家庭でのご使用の場合かなり範囲が広がります。
シャツやインナーから雑誌、シューズ、スリッパ、キッチン雑貨、
CDや文庫本、薬までとなんでもOKです。
ちなみに箱のサイズは幅40cm、奥行き32cm、高さ12cmです。

素材と色に関してですが、
パイン材にウォールナット色のステインを使用しています。
特殊なデザインをしたキャビネットですが、
とても落ち着いていてカフェ系からモダン系までと
この家具の個性が強いのでかえって部屋を限定しないかもしれません。
黒い壁に白い床という完璧なモノクロな部屋でも合ってしまいそうです。
なんか想像しただけでも顔がほころんでしまいそうです。

価格は98,000円になります。
実際ショップでのご使用を御検討されているお客様にとっては
激安だとおもいます。
特注で作れば想像をはるかに超える価格になるからです。
ご家庭での場合でも決して高価であるとは思いません。
お部屋に入れた時のインパクトが違うからです。

以上2点の商品は、手作りのため
写真だけでその風合いや感じを表現するのは難しく
実物を是非ご覧いただければと思っております。



昨日は「ひな祭り」でした。
桃の節句といいます。
以前このブログでもご紹介させていただいたように
七夕や端午の節句(5月5日)と同じように旧歴に関係したものです。
俗に「女の子のお祭り」と言われていて歴史は平安時代まで遡ります。
五節句と呼ばれ、人日(1月7日七草。七草粥の語源でもある)
上巳(3月3日、桃の節句)端午(5月5日)七夕(7月7日たなばた)
重陽(9月9日、菊の節句)平安時代さまざまな節句があったのを
江戸時代に幕府が5つにまとめて祝日としたのが
庶民にひな祭りとして定着した起源でした。
もともと平安時代子供の死亡率が高かった頃、
人形を身代わりとして枕もとに置く風習がありました。
これが室町時代に引き継がれ宮中で祭りとして盛大に行われ
時代と共に一般家庭に普及していったわけです。
いまでも灯篭流しのように「流し雛」として
川に精霊を戻すという風習が残っている地域もあります。

3月3日は何故国民の祝日にならないのか、七夕が何故ならないのか、
10月10日は節句でもないのに何故休日なのかと同じなので
今回はやめときます。

ところで、「ひな祭りの歌ってなんで短調なの」って
思ったことありませんか。
「あかりをつけましょ・・・・」と始まって
「今日はたのしいひなまつり」と1番の最後。
「なによりうれしいひなまつり」が4番の最後なのですが
とても悲しく終わっていきます。
この理由は曲のメロディが短調(マイナー)だからなのです。

確かに身代わりとなって消えていく雛人形の不条理のレクイエム
(鎮魂歌)と考えれば納得できるのですが、
「たのしく」はありません。
そこでまず、1936年昭和11年に作曲されたこの歌が
「何故短調なのか」をひも解いていきます。

メロディには長調と短調があります。
ギターやピアノの経験があれば判るとは思いますが
簡単にご説明します。

曲は全てトーナリティという曲を支配する音で構成されています。
例えばピアノで白い鍵盤だけで「ドレミファソラシド」を弾くと
別に違和感なく聞きなれた音がします。
この中から「ドミソド」の和音を弾くとこれも違和感はありません。
今度はラから初めて「ラドミラ」の和音を弾くと
何故か悲しい暗い感じがします。
どちらも白い鍵盤で楽譜にはシャープもフラットも付きません。
小学校の時やったリコーダーで吹けるものです。
ところが、この2つの和音のトーナリティは違うというわけです。
悲しく聴こえるほうが短調で
普通に聴こえる方が長調と呼ばれているものです。
この場合、ハ長調(Cメジャー)イ短調(Aマイナー)。
ちなみに、Cメジャーの代表といえば「かえるの歌」で、
最近ではいきものがかりの「ありがとう」です。
懐かしいところでスピッツの「チェリー」、
松田聖子の「チェリーブラッサム」
珍しいところでスーパーマリオのテーマ、などです。
どれも元気がでそうな「川に雛を流すせつなさ」は感じられません。

さて「イ短調」にいきます。
なんと言っても「津軽海峡冬景色」です。
ちょっとマニアックでツェッペリンの「天国への階段」が懐かしいところで
サザンの「夏をあきらめて」などで結構ズシリときます。
(今回の曲は便宜上ピアノの白鍵盤
CメジャーとAマイナーに限らせていただきました。
このトーナリティを変えてレから始まる
Dメジャーなどを説明するときは
ファとドがシャープして黒鍵を使わなければならなくなりますので、
難しくなってしまいます。
昔、「C調なヤツ」という言葉が流行りましたが語源はここにあります。
単純、調子がいい、わかりやすいという比喩です。)

さて、少し悲しい曲が短調で
楽しかったり、元気が出たりという曲が長調というのが
お判りになりましたでしょうか。
曲を白鍵にこだわらずあげてみると
「およげたいやきくん」「もらい泣き」「舟歌」「地上の星」
少し古いとはおもいますがこれらは全部短調というわけです。

ところで命題の「ひな祭り」に戻ります。
そもそも短調がなぜ悲しく聴こえるのでしょうか。
音階はピアノの白鍵を弾くだけでも、リコーダーでも口笛でも
順列と組み合わせを変えるだけで悲しくなったり元気が出たりします。
そもそも自然界には様々な音が存在するはずなのに、
ピアノやギターのチューニングが狂っていると気持ち悪く感じます。
ピアノで出る音階は一体だれが決めたのでしょうか。

一般的には紀元前500年にあの有名な数学者であるピタゴラスが
「オクターブ(8)上の音」の中間の音を定め
それを割って8個にしたと言われています。
(オクターブの音も入るため8音)
これをピタゴラス音律といいその後教会で聖歌に幅広く使われ
(グレゴリオ聖歌)ました。
11世紀に入り和音を使うようになると
この音階では不協和音が生じてしまうため
調整して今の音階にしたわけです。
今の音階は平均律とよばれ
オクターブをキッチリ12等分の周波数で割ったものです。
ピアノでいえばドの音から隣り合う鍵盤を白黒問わず次のドまで弾くと
12等分になります。
ギターなら半音ずつフレットを移動させればできます。
(クロマチックという)
この音の組み合わせで世の中の音楽は全て構成されているというわけです。
これを主張したのがバッハで
「平均律クラヴィーア曲集」に象徴されています。
(18世紀、G線上のアリア、主よ人の望みのよろこびを、
無伴奏チェロ組曲と今でも普通に聞けるものが多く、
数多くのミュージシャンが一度はコピーしている。
彼の平均律理論はある意味正しいといえる)

この12音階に分かれた音が何故、表情がでるのでしょうか。
もし、生まれて来て音階というものが判らなかったら
「地上の星」を聞いて泣くオヤジの気持ちがわかるでしょうか。
アフリカでは、タイコで表現するそうですが、
僕には「悲しいタイコ」も「よろこびや怒りのタイコ」もわかりません。
それでは、タイコの人に「津軽海峡冬景色」を聞かせたら
悲しさを感じるのでしょうか。
それもNOです。
ただ感動はするそうです。
世界的に有名なチェロ奏者のヨーヨーマがアフリカで
「無伴奏チェロ組曲」弾いたら涙を流したそうです。
これはプレリュードだったので長調でした。
計算されたバッハの曲が良かったのか
ヨーヨーマが素晴らしかったのかはわかりませんが、
長調、短調に関係ありません。
そうなると長調が楽しくて、短調が悲しいということは
後天的であるといえます。
ただ、音がDNAの情報の中にあってそれを伝達するのであれば
その限りではありませんが。

日本では昔、もちろん12音階など存在しませんでした。
子守り歌は殆ど短調です。
津軽海峡や舟歌を聞いて眠くなる赤ちゃんはいないとおもいます。
(日本の春の曲「さくらさくら」も短調です。)
一方洋楽は殆ど長調です。
子守り歌で言えばシューベルト、ショパン、モーツァルトなどです。

これは、日本固有の旋律にあります。
「短調イコール悲しい」とは違うわけです。
もともとの日本の旋律を平均律にあわせると短調になるのですが、
トーナリティでは少し証明が難しく
近いのはマイナーペンタトニックの派生系といえます。
ギターを演奏する人には馴染みというか
これさえ覚えておけば「カッコよく弾けちゃう」
魔法の旋律(スケール)です。
和楽ではヨナ抜きといわれ4度と7度を抜いた5音で構成されています。
短調ではラから初めてシドミファでラにもどります。
(5音なのでペンタという。ペンタゴンと同じ)
ジッターリンジンの「夏祭り」はこれで構成されており、
どこか懐かしい夏のお祭りの匂いがするのはこのせいです。

もともと日本の民謡や童謡または戦前の歌謡曲も短調が多くあり、
実は日本では短調の方が好まれていたのかもしれません。
このヨナ抜きペンタトニックを基本としている民謡から派生した
演歌のヒット曲も殆ど短調です。
1971年にヒットした「私の城下町」
1972年の爆発的なヒットである「女のみち」もそうです。

それでは、短調はいつから悲しくなってしまったのでしょうか。
戦後まもなく、短調が悲しいと認識されなかった頃、
「あれっ」と思う曲があります。
例えば、並木路子が歌った「りんごの歌」です。
(東京事変ではありません)
「リンゴかわいや、かわいやリンゴ」とありますが
何故かせつなくなります。
「高校3年生」などは曲を知らない世代に歌詞だけ見せれば
絶対に短調だとはおもいません。
この流れを変えたのがコロンビアローズが歌った
1957年のヒット作「東京のバスガール」という歌です。
はとバスのバスガイドさんが当時の憧れの職業だったころの曲です。
(2009年に林あさ美がカバー)
そこの「発車オーライ、明るく、明るく走るのよ」は
全然明るくありません。
僕も不思議に思っていたのですが、実は悲しいものでした。
憧れのお客様が翌日綺麗な人を連れて歩いても、
酔っ払いのお客様にからまれてぽろりとしても
「明るく、明るく」となるわけで
人生の不条理を「明るく」歌った歌は、当然短調です。

この流れを決定的に変えたのが「若大将」です。
湘南です。
太陽族です。
夏!海!
当然短調はありません。
ベンチャーズ、ビーチボーイズです。
(ちなみにサザンの「夏をあきらめて」が短調なのは、
その年の夏が冷夏で夏の海が静かで
「夏」をあきらめざるを得なかったから。)
ここが日本の短調と長調を分けたエポックだったのかもしれません。

その後、ビートルズが席巻しグループサウンズ全盛のころ、
長短は完全に区別されました。
名曲イエスタデイは短調でレットイットビーは長調です。
その後、短調はマイナーというだけに
日の目を見なかったわけではありません。
演歌のヒット曲、精霊流し、神田川、
またオフコースの歌に代表されるように
日本ではかなり短調がヒットしてきました。

そして大滝サウンドから派生した渋谷系
(今はなきHMVが象徴、オリラブ、オザケンが有名)が
ここにくさびを打ちました。
曲の中で何度も転調し、またジャズのモードである分
数コードを使用することにより
明確なトーナリティが解りづらくなり、
長短というくくりでは語れないものになったからです。
ただやはりチャートインする曲は
長調(メジャー)な曲が多いのは確かです。
去年ヒットした「トイレの神様」は、
大好きなおばあちゃんとのお別れをさらりと長調で歌っています。
そこがまた悲しみを誘うわけです。
ひな祭り(ようやく戻って来た)なので、
最近のチャートイン女性アーティストに着目すると
西野カナの「Distance」もAKB48の「桜の木になろう」も長調です。
ここで注目すべきはKARAの「ミスター」も
「ジャンピン」も短調なのです。
特に「ミスター」はベリーダンスに影響されたと思われる独特のダンスが
「ららららららーららら」とポリリズム風なものを
「シンコペーションでつなげた」(らーらの部分。リズムの頭をつなげる。
食うともいう。)リズムのイントロで始まります。
これが短調なのは、ベリーダンスが
ジプシーミュージックに由来しているからです。
「ミスター」がどことなく物悲しいのは
「片思いのせつなさ」を歌った詩ではなく
このジプシーメロディに起因しているからです。
(ちなみにジャンピンの方は失恋系ソング)

ジプシーは11世紀ころ定住せずヨーロッパにいた民族を指し、
語源はエジプトです。
定住しない人たちの比喩にも使われています。
彼らの音楽はロマ音楽と呼ばれ基本は短調です。
フラメンコもこのジャンルです。
クラシックでは、ツィゴイネルワイゼンや
ブラームスのハンガリー舞曲が代表的です。
「朝」で有名なグリークのペールギュント
第3楽章「アニトラの踊り」がそれに当たります。
どれもせつなくもの悲しいものばかりです。
ブダペスト(ハンガリー)でジプシーミュージックを初めて生で聴いた時、
涙したのを思い出しましたがこれも?かもしれません。
(悲しいくて泣いてしまったその悲しさとはなにかです。)
11世紀といえば、最初にご説明したとおり和声元年でした。
教会の音楽、グレゴリオ聖歌からバッハの平均律に移行する年です。
ここにヒントがあると僕はおもいます。

つまりグレゴリオ聖歌がメジャーな音楽に対し
ジプシー系なオリエンタルな音楽がマイナーとなるのではないかと。

さて、最後に「ひな祭り」の歌ですが、
決して悲しい物ではありません。
よろこんで「今日は楽しいひなまつり」と歌いましょう。

僕も思いっきり歌います。
それは、桃の節句だけに
ロゼシャンパンをあける口実にピッタリだからです。
歌い終わった後に「ポン!」と。

  1. 2011/03/04(金) 11:21:57|
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