NOCEの家具バイヤーズブログ 2010年9月24日 上海国際家具見本市3

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2010年9月24日 上海国際家具見本市3

今週の月、火曜日と9月だと言うのに「死ぬかと思う」ほど
暑くなりましたが、翌日の雨から一気に涼しくなり
秋を迎えたような気がします。
週末は、全国的に晴れそうです。
僕は久々に散歩でもしようかと思っています。
ようやく「外出し易い陽気」になりましたので
是非NOCEをのぞいていただければと思っています。

今週の新商品のご紹介は、
オーソドックッスな正統派ソファです。

0924TD9811A.jpg ソファTD9811A 2人掛けセット(オットマン付き) ブラウン
¥59,800

ソファ:幅162×奥行92×高さ80(42)cm
オットマン:幅60.5×奥行60.5×高さ42cm
Made in China
※部分組立

スクエアなデザインはシンプルそのものでクセがなく飽きが来ません。
そしてどんな部屋にも合いそうです。
またデザインの特徴としてアーム部分に厚みを持たせてあるので、
全体的にドッシリとしていて安心感があります。
シンプル系、モダン系はシャープですが華奢なイメージがあり、
カントリー系は、しっかりしていてもゆるいといった
イメージがあります。
言ってみれば両者のいい所を取ったという感じでしょうか。
デザインが角張っていても丸く感じるわけです。

座り心地は、このボリュームなのでゆったりとしていて抜群です。
シートにはポケットコイルを使用しているので
しっかりと腰を支えてくれます。
付属のオットマンにもポケットコイルが内蔵されているので
単体でスツールとしても使用でき、また足を乗せても快適です。
アームの部分とシートと段差が比較的少ないので
「少し横になる」事もできます。

カラーはファブリックのダークブラウンのみですが、
このデザインにはこの色が一番似合います。
またこの生地には高級感もあります。

さて価格ですが、このデザインとボリューム感に
ポケットコイル内蔵のシート、
またさらにポケットコイル付きオットマンまで付けて
なんと59,800円です。
絶妙なコストパフォーマンスです。
円高の追い風もあり、なんとか60,000円を切りました。

「デザイン、ファブリック、座り心地」と
全体的にバランスよく出来ているこのソファ
写真では説明し切れません。
是非、NOCE各店にて実物をお確かめいただければと思います。


とりあえずバンドを目指すことにしました。
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バンドとは、英語で上海に17世紀後半に出来た租界
(外国人居留地)を意味します。
1842年(ぺリーの日本来航が1853年)アヘン戦争に負けた清国が
イギリスにその代償として上海の土地を売り、
その後イギリスが自国の法律を制定し統治していきます。
その後、第2次アヘン戦争の後、
列強(フランス、アメリカ等)が加わり総合統治が始まりました。
当時、治外法権が認められていて急速に欧米の街となっていきました。
バンド地区はその当時の商業、経済、行政の中心で
多くの銀行や官公庁の建物が当時の西洋建築そのままの姿で残っています。
この辺がヨーロッパ的なものを感じさせてくれるのかもしれません。

有名な香港上海銀行(HSBC)
(総資産では世界最大。株価時価総額ではシティ、バンカメに次ぐ
第3位。香港ドル発行銀行。ちなみに日本円の発行銀行は
日本銀行、通称「日銀」)が上海バンドにできたのは1865年、
香港創設の1ヶ月後でした。

バンドは夜ともなると建物がライトアップされ幻想的です。
河を挟んで対岸に今の上海、
テレビ塔や様々な高層ビルを見ることが出来ます。
この間をナイトクルーズの船が「ボーッ」と汽笛を鳴らしながら滑ると
時空の河がゆっくりと流れていきます。

バンドまでの路地は、
100924-2.jpg まるで時間がゆっくりと停まっていくようです。
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路地の向こうにテレビ塔が見えると
100924-4.jpg そこはもうバンドでした。
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この建物も
0924-6.jpg この建物も
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100年間、歴史の中で刻み続ける時計も
0924-8.jpg そしてHSBCさえも(手前の建物)
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対岸の上海の
0924-9-2.jpg 繁栄を
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ずっと見続けていくのでしょうか。
0924-11.jpg 「夜上海」(イエシャンハイ)が更けてゆきます。
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バンドから
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ゆっくり
0924-14.jpg ゆっくりと
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来た道を帰って行くと
0924-16.jpg 電信柱が誰もいないオレンジ色の路地に影を作っていました。
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翌朝、「見本市に未練はない」と1本早い飛行機に乗るため
朝5時に起きました。
下北沢を出てちょうど24時間が経過していました。

1時間かけて「明けていく上海の街」を見ながらストレッチをして
身体を起こし朝食を取りにレストランに行きました。
0924-18.jpg どうもクセなのか見本市がなくてもたっぷり食べてしまいました。
トースト4枚、ロールパン2個、クロワッサン2個、
ベーコン、チャーハン(中国だけに)ソーセージ、ハム、
エメンタール(チーズでこれとロースハムをパンに挟むと止まらなくなる)
目玉焼2個(ターンオーバー)スモークサーモン、
サラダ、オレンジジュース、ストロベリージャムと
ヨーグルトと食べる前に全部並べてみました。
(このあと実は、シューマイ、エメンタールとハムリピートしてます)

余談ですが「中国のパン」はすごくおいしくなっています。
前は考えられない事ですが地下街が少しバターの香りがしていました。

全てを済ませてコーヒーを
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飲みながら少し「僕のもやもや」を考えてみました。
0924-20.jpg まず、「何故今回の見本市が違って見えたのでしょうか」と。
「僕の見る目が変わった」のか、「見本市が変わったのか」ですが、
問題は、「見本市が変わらない」事にあるような気がします。

中国は、その安い労働力を武器に
「あっ」という間にイタリアを抜き世界1の家具生産国になりました。
10年前、欧米や日本は住宅着工件数の伸びとともに家具の需要が伸び、
生産コストの安い中国から競って輸入しました。
安く輸入すれば売れた時代です。
そしてその伸びとともに中国には毎年新しい家具工場が
新しい技術を持って次々と出来ました。
家具工作機械はドイツやイタリアの最新鋭のものでした。
中国の家具工場同士の熾烈なバトルが始まるわけです。
売れるデザインがあればすぐにコピーしさらに安く市場に出します。
この場合、品質が悪くなるケースと良くなるケースがありましたが
良くなるケースの方が多かったような気がします。
この事が技術革新と効率性(安くするため)を
物凄いスピードで高めていくわけです。
欧米や日本の有名家具チェーン、またはウォルマートやコストコ、
大手通販から「こだわり系インテリアショップ」に至るまで
様々な家具のデザインを持ち込みオリジナルを作らせました。
(OEMといいます)
そのデザインをまたコピーしたり
モディファイ(仕様を少し変えること)したりして
オリジナル完成後早ければ3日で以内に他工場、ひどい時は
同工場から規格品として売り出されるのです。
ある意味この熾烈なバトルがいいものを作ったといえるわけです。
あまり例えはよくないのですが、
戦争がなければ飛行機も自動車もGPSもインターネットも
「ありとあらゆる工業製品」の発展はなかったことと
同じなのかも知れません。

そして、サブプライムローン問題から発展した金融危機は、
リーマンブラザースの破綻でその引き金が引かれ、
世界は同時不況に突入して行くわけです。
これは中国家具産業を直撃しました。
欧米、日本からの注文が激減したのです。
一方、中国国内やアフリカ、南米では好調な輸出に支えられ、
人々は住宅を買い、家具を探し始めたのです。
このため、家具生産者はそちらに目を向かざるを得なくなったわけです。
ただこの市場にはインテリアという言葉は存在しません。
やたら豪華できらびやかな物か、
無駄に木をふんだんに使っている物と「恐ろしくちゃちで安い」物に
2極化しています。
当然、僕が買うものはありません。
そしてデザインは、欧米の撤退とともに2年前から止まっています。
その止まったままのデザインが中国国内に流通され
フィードバックされ新たなデザインが生まれていくのかも知れませんが
どのくらい時間がかかるかわかりません。
彼らが新しいデザインとして展示しているものは
例えばイームズのチェアの脚に
ファーに覆われたなぞのシートが乗っていたり、
ウエグナーチェアのシート部分が乗っていたりと
とても面白いといえるものではありません。
一方、日本の「今のトレンド」は2年前とは違っています。
このギャップが僕の「もやもや」だったのかもしれません。
家具バイヤーにとってまさに受難の時代に突入したわけですが、
「ここが腕の見せ所」と弱音を少しだけ強がってみました。

チェックアウトを済ませ
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外にでると
0924-22.jpg 変わらない路地は、変わらない朝を迎えていました。
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都会の朝のあわただしさに何故かなつかしさを感じました。
0924-24.jpg 地下鉄の案内板に従い
0924-25.jpg 入り口を
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下りて
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ラッシュの地下鉄に乗り
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マグレブの接続駅で降りて
0924-29.jpg マグレブに
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乗り
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終点で
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降りると
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そこは空港でした。
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チケットを「朝いちの成田行き」に変更してもらい
0924-35.jpg 昨日来た道を
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飛行機に
0924-37.jpg 向かって
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歩き
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席に着くと
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飛行機は
0924-41.jpg 飛び立ちました。
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空港には「コーヒー」とオーダーして間違えて出てきた
僕の「ダブルエスプレッソ」のカップが残りました。

僕ののどには飲みきれなかったエスプレッソの「ほろ苦さ」が残りました。
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― 追記 ―
今回の見本市で企業秘密で言えませんがバイイングはしています。
後は 「どう料理するか」です。
バイヤーは魚を釣るだけでは生活できなくなりました。
魚を釣って、さばいて料理して、盛り付けて、
サービスまでしなければならない時代だからです。

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  1. 2010/09/24(金) 11:09:45|
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