NOCEの家具バイヤーズブログ 2011年5月13日 カラップの想い出

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2011年5月13日 カラップの想い出

今週は、季節の変わり目なのか梅雨の走りなのか
少し肌寒い雨の日が続きました。
相変わらずあまりいいニュースがない今週でしたが
ゴールデンウイークも明けまた引き締めていきたいところです。
今週末、NOCEのある地域では土曜日の新潟をのぞいて
ほぼ全地域で天気に恵まれ暑くなるところもあり、
お出かけには良さそうです。
その際は、是非NOCEにお立ち寄りいただければと
お客様のご来店を全国NOCEスタッフ一同お待ち申し上げております。

今週の新商品のご紹介は、
先々週に続いてオリジナルデザインのカップボードです。

0513KARUP1.jpg KARUP1
¥74,800

幅121×奥行44.5×高さ165cm
Made in Japan
※部分組立

「カラップ2」と平行して製作したものでこちらは、
よりカップボードを意識してあります。
デザインに関しては、「2」同様に北欧系と現代を融合させたものですが、
カップボードを意識した分だけ
より一層どことなく懐かしいレトロなものとなりました。
脚は「2」と同じテーパードレッグを使い
北欧感を強調させてあります。
0513-1.jpg








そして特徴は、なんといってもワイド(幅)と高さのバランスです。
普通の食器棚は、幅120cmに対し高さは180cmのものが多くあります。
収納率がUPし実用的ですが、
圧迫感があり見た目のバランスもあまり良くありません。
ここで121cmに対して165cmにして
見た目と実用性を兼ねさせたと言うわけです。

インテリアとしては、カフェ系が基本ですが
ナチュラル、シンプルでも充分あいます。
レトロ感が強調されているので、
割とどんな部屋にも溶け込んでくれそうです。

構造は「2」に較べ極シンプルなものです。
上の棚はレトロに菱目でデザインされた
2枚のガラスによる引き戸になっています。
0513KARUP1-2.jpg










通常ヴィンテージは、このスタイルだと
ブックケースの場合が多くガラス扉はありません。
ガラス扉にしたのはカップボードに近づけるためです。
真中のスペースは、デザイン上本来縮めたかったところですが、
電子レンジや炊飯ジャーが置けるクリアランスを取るために
ここは実用性を優先させました。
コンセントとコードの穴も付けてあります。
0513KARUP1-3.jpg










下部の構造はヴィンテージでよく見るチェストの手法を使いました。
大きな引き戸の横に小さな引き出しが3段あります。
0513KARUP1-4.jpg










最初は4段の正方形の引き出しになっていましたが、
デザイン的にモダンになるのと「実用性の無さ」から
この形になりレトロ感が引き立ちました。

素材は、「2」と同じプリント紙とは思えない
プリント紙を使用しています。
質感は、本物の木製ベニヤと変わらず
「仕上げの質の悪いベニヤ」ならばこの方が断然勝っています。
勿論コストも安くあがり熱や湿気にも強いと言うわけです。

価格は74,800と「2」と同じです。
この質感から考えれば決して高いとは思いません。

少し小ぶりなダイニングテーブルとチェア、
オレンジかグリーンのソファにこのカップボード。
そして照明はオレンジの白熱灯。
スウェディッシュポップスが似合いそうです。
カーディガンズなどいかがでしょうか。
おなじみの「カーニバル」もいいのですが、
僕はデビュー作の「エマーデイル」が好きです。
メランコリックで結構泣けます。

カールズバーグやツボルグ(デンマーク製ビール)でもあれば、
激動の現代の時間がゆっくりとまき戻されていくようです。

画像ではなかなかその質感をお伝えすることが難しいので、
是非実物をお確かめいただければと思っております。

さて「カラップ」という命名はデンマークにある地名からです。
場所は首都コペンハーゲンから西に200kmくらいのところにあります。
空港はありますがとても小さな街です。

何故「カラップ」なのかというと
僕がまだ駆け出しのバイヤーだった頃、
展示会のために一度だけ訪れた街で
とても印象深く感じているからです。

当時、「スカンディナビアンファニチュアショー」という展示会が
デンマークのコペンハーゲンで年に1回開催されていました。
まさに北欧家具前盛期のころです。
コペンハーゲンの街はまるでデザインウィークのように
盛り上がっていました。
回を重ね展示会は、規模が大きくなり
コペンハーゲンの会場だけでは足りなくなり、
家具メーカーの多くあるヘアニングの近郊にあるカラップとの
2つの会場で行われる事になりました。

コペンハーゲン空港から小さな飛行機で40分くらい乗ると
カラップの空港に着きます。
森を切り開いたとても小さな空港で
そこから今晩の宿にタクシーで向かいました。
初めて見るカラップの街並みはとても小さく綺麗で
まるでおとぎ話の絵本にでも出てきそうな光景でした。
平原に点在するカラフルな家々を通り過ぎると宿に着きます。
そのホテルは平原の林の中にあり、
ホテルといっても簡素な宿で15位の客室とレストランがあり、
まるで北海道の美瑛(富良野の近く)にあるオーベルジュのようで
「仕事か旅行か」を忘れてしまいました。
窓の外のラヴェンダー色の空は夜11時を過ぎても続いていました。
階下の耳障りのいいレストランの喧騒が眠りへと誘ってくれました。

翌朝、「もや」に包まれた宿のレストランに、
自転車でたくさんのパンがとどけられました。
次にミルク缶を荷台いっぱいに積んだ小さなトラックが来て
毎朝配達するようにその中から一缶をおろしていきました。
近所の農家のおばさんでしょうか、
最後に大きな布袋に入った「たまご」を笑顔の挨拶とともに
置いていきました。

朝食のテーブルには、山盛りのパンとゆでたまご、
ハム、チーズ、大きなピッチャーに入ったミルク、ヨーグルト、
フルーツが並んでいました。

今でも最高の朝食ベスト5に入っています。

その日の仕事を終え、タクシーでまたカラップの街を通り
空港から飛行機にのりました。
飛行機の窓から小さなおとぎ話の街がさらに小さくなっていきました。

コペンハーゲンに帰りその晩、
ジャズのライブハウスに午前1時くらいまでいました。
クラブの開店はまだ日の暮れない夜10時なので
それ程長居したという感じはありません。
入店すると手首にスタンプが押されます。
日本人は僕ひとりなので
めずらしがって色々な人たちが何度も乾杯を求めてきます。
もちろん「カールズバーク」で。
みんな笑顔でなにかとても豊かで幸せそうでした。
そして彼らの自慢はカールズバーク(ビール)でも
ケルドセン(バタークッキー)でも
マースク(世界最大の船会社)でもありません。
それは「世界で一番小さい国」だそうです。
小ささでは絶対譲りません。
彼らからすれば日本はとても豊かで大きな国と言う事でした。

そんな当時、東京に帰ると
「こんなに明るかったっけ」と言うほど明るく感じましたが、
何か無機的で暖かさに欠けているように思いました。

話は現在に戻り、今週消えていた東京タワーに「灯」が点きました。
節電モードで電力は半分だそうです。
以前に較べると地味に見えますが僕はいいと思います。
以前、このブログでも節電モードの下北沢は、
「街灯の数ではなく質だ」と書きましたが、
まさに東京タワーがそうだと思います。
今は哀悼の意を表して白ですが、
14日からはオレンジになるそうです。
本当は、日替わりで
「東京タワーが色で感情を表現してくれればいい」と思っています。
まるで感情がある生き物のように。
うれしい日はオレンジだったり、応援モードは黄色だったり、
悲しい日はブルーとか。

「照明数が過去最高」とか
「一流デザイナーによる光のモニュメント」いうのは
スカイツリーに任せておいて
東京タワーは別の生き方をすればいいと思います。
最近スカイツリーに押されてすっかり影がうすくなり、
そこに今回の地震で曲がってしまった不運の東京タワーに
チャンス到来というわけです。
まさにピンチをチャンスにです。

最近来日しなくなってしまった外人サプライヤーを
東京タワーの見えるところに連れて行き
「今晩の東京タワーは、
地震で曲がってしまった自分の姿に悲しくなってブルーなんだ」
そして「そういっていても始まらないから明日はオレンジになる」と、
まるで生き物のように。
「ふーん。東京タワーって生きてるんだね」と
デンマーク人にはカールズバーグ、チェコ人とはウルケル、
中国人にはチンタオで「乾杯!」とできる日を夢見ています。

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  1. 2011/05/13(金) 10:36:35|
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