NOCEの家具バイヤーズブログ 2012年3月23日  2012年 春 中国出張プロローグ

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2012年3月23日  2012年 春 中国出張プロローグ

今週も寒い日が続いたようですが、僕は出張で中国の広州に行っていたのであまり実感がありません。
香港、広州は最高気温27度と日本でいえば初夏のような気温で、長袖だと汗ばむ陽気でした。
今週末、NOCEのある地域の天気ですが、土曜日は福岡、広島を除いて天気は崩れるそうですが、
日曜日は札幌、新潟を除いて晴れるそうです。
札幌は土日とも雪、新潟は雨とまだ冬のままなのでしょうか。
ただ週の半ばからは春らしい暖かな日が来るそうです。
日中の気温も冬のような寒さはないのでお出掛けにはよさそうです。
そしてその際には是非NOCEにお立ち寄りいただければと
全国スタッフ一同お客様の御来店をお待ち申し上げております。


今年も「春の中国出張」の時期が来ました。
「先週の日曜日に出発し水曜日に帰ってくる」という日程です。
さて中国は先般、GDP成長率の目標値を下げるという政策を発表し世界の金融市場に激震を走らせました。
世界経済の牽引役である中国の突然の発表だったからです。
中国のGDPの割合は、輸出と海外からの投資で70%近くを占めています。
一方国内消費は30%と先進諸国の半分以下でアンバランスな状態です。
これは海外依存度が極めて高い状態で海外の景気の波に敏感に反応してしまうと言うわけです。
また、国内は過熱経済がもたらすインフレに悩まされていて、
どこかでこのアンバランスとバブル経済を是正しないと「持続可能な安定成長は見込めない」という事で
下方修正となったわけですが、本当に目標である7.5%に出来るかは懐疑的と言われています。
因みに中国政府が成長率の統計を取り始めた1988年の7.8%から上がり続けて
2003年からリーマンショックの2007年まで10%成長を続けました。
2009年に下がったとは言えまだ9.1%もありました。(日本はマイナス6.3%)
そして2010年には再び10.3%に回復したのです。
この数字を一気に1988年前の7,5%に戻すという事はほぼ不可能だと考える方が自然です。
このGDPのアンバランスな構造は、一般庶民の生活の向上にあまり寄与しません。
中国経済は数字の上では好調に見えますが実態はかなり深刻な状態です。
去年もこのブログで書いた通り工場の倒産が続いています。
それは中国商品を買っていた先進諸国の消費の落ち込みと構造的なものに起因しています。
中国商品の魅力はやはり安価であるという事です。
ただここに大きな落とし穴があるのです。
安い労働力を背景に大量生産をするので安価な商品が生まれるわけですが、
これは常に工場がフル稼働な状態でなければなりません。
生産性が落ちればすぐにコストに反映されてしまうからです。
今まで先進国の低価格志向のお店、例えば日本でいえばユニクロ、アメリカではウォルマートのような店が
時流に乗り店舗を拡大して売上が伸び、彼らが大量発注をする事により更に価格を下げていきました。
しかし消費にも限界があります。
また先進国の失業率のアップと同時に消費に陰りが見え始めました。
発注量が右肩上がり当たり前の中国の工場には初めての試練です。
また、将来の発注増に備えて規模拡大などの設備投資を行っている工場も多くありました。
フル稼働しなければ価格が維持できない工場はまず労働者を減らし、賃金も抑えました。
そこにアメリカやヨーロッパの中央銀行が景気浮揚のために金利を低くし更に量的緩和政策をとりました。
(量的緩和とは市中のお金の量を増やす政策、簡単に言うとお札を沢山擦ってばらまくと言う事。
日本でも先般この政策を発表し円が安くなりました。最近ドル、ユーロに変わる円キャリートレードが復活し
キャリートレードのスターが帰ってきたと金融市場では盛り上がっています。
キャリートレードとは金利の低い円を借りて、他の金利の高い通貨と交換するだけで金利差による利益を得る
というシンプルな錬金方法です。最近は円をメキシコのペソ、ブラジルや南アフリカなどの金利が高く
発展性のある国の通貨に換えるのがモダン。ただ巻き返しが起こると強烈な円高を引き起こします。)
このお金が資源などの投機に向かい、食料品、原油も含めあらゆる資源の価格が上がってしまったのです。
これが中国にインフレをもたらしました。
発注の減少に加えて工場は資源高、燃料高などのコストアップで次々と窮地に追い込まれて行きました。
価格に転嫁する事ができないからです。
そして更なる問題が昨今追い討ちをかけています。
広州など中国南部の一大工業地帯で働く労働者は殆ど出稼ぎです。
インフレにより今までの賃金では生活するのがいっぱいで故郷に仕送りする事ができなくなってしまったのです。
工場も事情により賃金は上げられません。
2年前に広州駅には故郷に帰るお金も仕事もない人で溢れている時期がありました。
その後、彼らは故郷で食べていけるだけの農業に従事する選択をして工場には戻りませんでした。
それでも、「食べていけるだけでもいい」という労働者が工場に残ったわけですが、
最近その残った労働者も
アフリカ、アラブなどのプラントやビル建設の出稼ぎに出るようになってしまったのです。
因みに日本も増加中と聞きました。
これが、現在深刻な労働者不足を引き起こしているのです。
今年、中国の正月休みの後、NOCEにも影響しました。
労働者不足で労働者が確保できず1ヶ月くらい工場がストップしてしまったのです。
現在は徐々に動き始めてきましたが、欠品状態がまだ続いています。
(NOCEでは、予約の際に現在日本に在庫がない商品に関しては代金をいただいておりませんので、
前にご予約いただいてお代金をすでにお支払いを済ませたお客様は商品が確保されたということになります。)
実は、これは家具だけの話ではありません。
この長期休暇が原因でなんと中国の貿易収支が2月はなんと赤字になってしまいました。
日本でも今週、「2月は貿易黒字に改善」と発表されましたがたぶん理由はこれです。
強烈な発注残があるので3月、4月と記録的な貿易赤字になる可能性があります。

労働者を確保するためには賃金を上げるしかありません。
これはコストにダイレクトに反映されます。
発注の減少、資源高、賃金上昇と中国の工場は岐路に立たされています。
しかもこれは出荷金額に影響してしまうため海外のバイヤーは更にコストの低い、
ミャンマーやバングラディッシュ、アフリカにシフトしています。
また、中国のメーカーでさえアフリカに進出しているのです。
これが中国GDPを内需主導型にしないとならない理由です。
中国も量より質の時代を選択しようとしているわけです。

先週、デンマーク人がチェアとテーブルをデザインし生産管理もするデンマークの会社から
「経営に行き詰まり支払い済みの代金は返せない」というメールがきました。
上海にある工場で商品が作れなくなったそうです。
真意はわかりませんが、彼の言い訳に「もう中国は昔の中国ではなくなってしまった」とありました。
デザイン性の高いチェアで楽しみにしていたので残念ですが、
それ以上に会社に多大な損害を与えてしまいました。
たぶん過去最高額です。僕の責任です。ローンで返しても5年はかかりそうです。
中国出張のタイミングで「全てやめてやる!」と
インフルエンザを仮病に出張ズル休みという選択肢もありましたが、ここで自暴自棄になると更に
「負のスパイラル」に落ち込むので、ここは落ち着いて色々考えなければなりません。
「まずは実際見る事」です。と落ち込む上司にも言い訳をして責任を少しだけ逃れておきました。
少し気が重い出発ですが、気合いを入れてと。
今回はケルンのように収穫ゼロでは帰れません。
マイナスからのスタートでヒットを飛ばしてもようやく同点です。
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  1. 2012/03/23(金) 15:41:17|
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