NOCEの家具バイヤーズブログ 2012年6月15日 なりすましメール

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2012年6月15日 なりすましメール

今週、入梅となりましたがあまりジメジメとした日はなくむしろ涼しくて凌ぎやすい日が続いています。
週末はいよいよギリシャとフランスでユーロの命運を分ける選挙がありますがヨーロッパの人達はあまり気にしていないようです。
今週その話題に触れるとヨーロッパではサッカーの方が大変だそうです。
現実、一昨日もワルシャワでロシア対ポーランドの試合の後、
フーリガン同士が場外で激突して多数のけが人が出たそうです。
ポーランドは英雄ポロネーズで有名なショパンを生んだ国でロシアとは歴史上対立する関係にあります。
(英雄ポロネーズは当時ロシアの圧制に立ち向かったポーランドの軍隊にフランスに移住したショパンが祖国に捧げた曲。ポーランドにあるショパン博物館には、フランスから3年前に帰った本人の心臓がある。楽曲の技術上の難易度は上ですがそれ以上に感情移入が肝です。ポーランド人が聞くと今でも泣きます。)
民族問題に発展しない事を祈るばかりです。
今週末、NOCEのある地域のお天気ですが、札幌と新潟の日曜日を除きほぼ全地域でぐずつくそうです。
雨の中ですが、お出掛けの際には是非NOCEにお立ち寄りいただければと全国スタッフ一同お客様の御来店をお待ち申し上げております。

今週の新商品のご紹介ですが、先週「入荷する」と言っていた商品が明日の入荷になってしまい間に合いませんでした。
来週は絶対「狼少年」にならないようにします。
今週も、新商品として取り上げる事ができなかったTVボードをご紹介させていただきます。
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以前から展開させていただいていますKARUPシリーズのTVボードになります。
国産オリジナルなのでデザインだけではなく機能性にも充分配慮した作りになっていて、使い勝手もよくデザインの主張も忘れていません。
どうも商品を開発しようと思うとデザインから考えてしまう傾向があり、「絶対ありえない家具」を考案してしまうのですが、今回は今までTVボードと目的がはっきりしているため「おおまかなライン」が決まれば後は楽チンでした。
モチーフは「レトロ」ですがKARUPシリーズ同様長いテーパードレッグを付ける事によりカフェ系のイメージも強くなりました。

左右に引き戸があり、中には可動棚が一枚あります。
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テーパードの脚がやや内側に付けられているのは、ミッドセンチュリーヴィンテージを意識したものでこのTVボードのデザインがカフェ系に位置付けられる大きな要素のひとつです。
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裏側にも化粧合板を施してあるので独立させても使えそうです。
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又、コード用の穴があるのも日本製ならではのものです。
センターにある深めの引き出しには
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テーブル周りのランチョン、カトラリー、コルクスクリュー(ワインのコルク抜き)などの収納にも便利です。
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素材はプリント紙化粧合板ですが、技術の進歩により突板と雰囲気はあまり変わりません。
むしろ、コストを考えれば(天然木のベニヤだと倍以上します)「これで充分」と割り切れる範囲です。
さて価格ですが、「脚だけお客様ご自身でのおとり付けの完成品」で39,800円(税込み)とこのパフォーマンスから考えればお値打ちと言えます。

KARUP TVボード
¥39,800
幅105×奥行44.5×高さ50.5㎝
Made in Japan
※部分組立


このTVボードは「TV」とありますが「なにもTVを置かなければならない」わけではありません。
サイドボードとしての機能も充分あります。
インテリア系のスピーカーを天板の左右に置き、パソコンのモニターを中央に設置して好きな画像を流しながら楽曲を配信させればカフェに早変りです。
全体のデザインが昭和のステレオのような形なのでこれも結構いけるかも、です。
このボードの上にあるスピーカーから聞こえてくるアコースティック系ナチュラルサウンドが部屋に溢れると、辺りの時間は少しだけ優しかった時代にもどしてくれそうです。




先日、中国の取引先から「メーカーの名をかたり、メールで振込先の銀行の変更を要求して金銭を詐取するという犯罪が横行しているので弊社の振込先は変わらないので注意して欲しい」と。
これを読むと「そんな話あるの?」と考えそうですが、あります。
僕が引っ掛かってしまったからです。
なんともトホホで残念な話ですが事実です。

通常、海外との取引では支払いに際して銀行を介在させる主にL/Cと通常の送金ベースの2つに分かれます。
L/Cとは、貿易に使われる決済(商品代金の支払い)方法のひとつで、Letter Of Creditと呼ばれ日本語で信用状取引と言います。
システムは、例えばまず輸入者(NOCE)が海外に1万ドル相当の商品を発注するところから始まります。
まず現金取引による決済は、NOCEが現金を相手メーカーにオーダーと同時に支払う方法ですが、相手に余程の信用がないとリスクが多すぎます。
一方、COD(Cash On Delivery)という「荷物が日本に到着してから支払う」という方法もありますが、これは「メーカーが取りっぱぐれる」というリスクがメーカー側にあります。
そこで両社ともリスクの無い方法として生まれたのがL/C取引になるわけです。
NOCEがメーカーに発注すると、まず取引銀行にその金額である「1万ドルの保証をメーカーにその銀行経由で与える」ように依頼します。
因みに取引上では銀行の与信行為となるのでNOCEは取引銀行から1万ドル借り入れた事になります。
取引銀行はメーカーの現地取引銀行にテレックスで「L/Cが開設された」ことを伝達します。
それを受け取った現地の銀行はその旨をメーカーに伝えると、メーカーは生産を開始するわけです。
メーカーの生産が終り、コンテナに積んで船に載せると船会社からB/Lという船荷証券(宅配便の送り状のようなもの)が発行されます。
メーカーはこの船荷証券にインヴォイス(納品書)とパッキングリスト(商品詳細)をセットにして銀行に持ち込み、それと引き換えに銀行からインヴォイス上の商品代金を受け取るのです。(銀行が書類を買い取る行為とも言います。この場合船荷証券が商品になるため証券となるわけです)
買い取った現地の銀行はNOCEの取引銀行にこの書類を送り、NOCEは取引銀行からインヴォイスの代金を支払ってこの書類を受け取るのです。(買い取る)
なぜこの書類が大事かというと船荷証券のオリジナルと呼ばれる船長のサインの入った書類を船会社に渡さないとコンテナを引き取る事が出来ないからです。

L/C取引は双方にリスクがないのが取り得になりますが、中国は手数料が高いのと銀行取引の規模が小さくL/C取引が出来ないメーカーが多くなかなか受諾してもらえません。
困ったことに小さいメーカー程面白い商品を作っていたりするのです。
ここで、現金取引の変形バージョンがデポジット方式と呼ばれる物です。
それは、発注時に総額の30%を現金で相手メーカーの銀行口座に振り込みます。
そして生産が完了した時点で残りの70%(バランスペイメント)を現金で相手口座に振り込むわけです。
メーカーはこの振込みを確認すると船荷証券を通関書類とともにNOCE宛てに直接送り、NOCEはこの書類と交換にコンテナを引き取るわけです。(最近はこの船荷証券を省略するテレックスリリースという方法でコンテナを引き取っています。)

さて、失敗の言い訳のプロローグが長かったので脱落された人には読まれなくて済むと。

デポジット方式でどんな新規のお取引様も失敗した事はありませんでした。
1度だけソファをメーカーが10本積み忘れた時も、間に中国家具見本市協会を入れ執拗に抗議して無料で運んでもらいました。

今回は、新規のメーカーでした。
上海家具見本市の常連で1年掛けての発注です。
おなじみのL/Cはダメと言う事で総額の30%をデポジットとして支払いました。
その後商品が出来上がったので残額の70%を支払って欲しいとメールが来ました。
ここまでは至ってノーマルです。
ただ、ここでおかしな事を言い始めました。
「工場から港までの陸上輸送コストが(こちらが)指定した業者が高すぎるので差額を負担して欲しい」とメールしてきたので「FOB契約なので(Free On Board。港引き取りの契約)責任はないし、現地に確認した所そんな今回のものは高額な運賃ではないので支払う事は出来ない」と即メールバックしました。
このやりとりに3日ほど掛かりメールは10数回以上の往復になってしまい最後はかなりキツイ応酬合戦の上、電話で言い合いにまで発展しました。
そしてなんとか解決した後、メールが来たのです。
「振込先の銀行が変更されたのでこちらの銀行に振り込んで欲しい」と。
そこに香港の銀行の口座名がありました。
僕はくだらない問題が片付いたのでなんの疑いもなく上司に振込み指定口座と金額を伝えます。
当然、経理からあたりまえのように振り込まれました。

コンテナが東京に着いてから、「バランス(残額の70%)は支払ったからテレックスリリースにしてコンテナを引き取らせて欲しい」とメールすると「代金の着金報告が銀行に無いからダメだ」と。
「エーーーー!そんなはず無い」と取引銀行に問い合わせると外為課の人が笑顔で「お相手さんはすでに受け取っていらっしゃいますよ」ですと。
ここでメーカーに僕はショックと怒りで「ウソ言うな。受け取った証拠があるんだからコンテナ開放しろ」と猛抗議をしました。
そして振込み明細書をメーカーに見せるとなんと「振込先が違う」ですと。
一体何が起こったかわからず、頭ん中真っ白、夕焼け空にカラスが鳴きながら帰っていきます。
夕焼け色の雲はあかね色に。
僕は慌ててメールの履歴を調べると在りました、「相手の振込み指示メール」が。
トラブった時から返信メールで返していたので「紐付いているから証拠としては充分だぞ」っと「ドヤ」と送ってみたのですが、メーカーは「メールアカウントをよく見ろ!自分達のもではない」だって。
そしてよく見ると、「なななんとこのメールアカウントの小文字WがVVとV2文字になっている」ではあーりませんか。
これってこの「メーカーの担当者の不正行為だから」と上海見本市協会に抗議しましたが取り合ってもらえませんでした。
メールのやり取り、電話が毎日続きましたが平行線です。
しかも、コンテナは「ヤードにある一定期間」を過ぎて放置しておくと1日あたりで罰金が課せられます。
1ヶ月も40フィートコンテナを放置すれば100万(たぶん税込み)は楽にかかります。
もめればもめるほどコストがかかってしまいます。
それを相手も知っていて「とりあえず支払った方がマシだ」と怒りを助長させるようなメールが続き、改札口でいつも使っているゲートにパスモ(関西イコカ)を当てようとした時、反対から走ってきた人に先を越されてしかも「ピンポーン」と改札締められた時と同じくらいの絶望感と悔しい思いをしました。
結局、上司の判断で支払いを済ませコンテナを引き取ることが出来ましたが2重に支払いが生じて大赤字になってしまい、減俸処分となりました。
メーカーからは、もちろん謝罪なし。
メールアカウントがハッキングされたそうで「君には気の毒だった」ですって。
真実は今でもわかりませんが、メーカーの担当者レベルの不正行為だと思っていましたが他のメーカーからの同様な注意喚起があったのでハッキング後の「なりすましメール」の可能性もあることがわかりました。
ただこれは「なりすましメールになりすました」巧妙な会社ぐるみか個人の犯罪行為だとも思っています。
振込み詐欺の詐欺師が知り合いで振込み詐欺を演じたのと同じです。

ただメールアカウントを確認すればよかったので責任は当然僕にあります。

上司が落ち込む僕を飲みに誘ってくださいました。
「こんな時はやきとりで」と暖かいお言葉を頂戴して「のれん」をくぐります。
焼酎ダブルストレートといきたい所ですが、グラスのスパークリングワイン(しかもこの方が安い)があったのでこちらをオーダーして乾杯。
上司から「どんなに落ち込んでいても乾杯はシャンパンなんだ」と軽いジャブ。
仕方ありません。「これってスパークリングワインなんですけど」とも言えません。
「なりすましになりすます。つけまつけつけまつける。(Byきゃりーぱみゅぱみゅ)」とおどけてみたのですが、全然つかめないどころか「きゃりーぱむ・・・・って誰?事の重大さを理解していない」とさらに怒りを買うことになりました。
少し酔いがまわった帰り道、悔しくて涙がでそうになってしまいました。
かすんだ目の先に黒いサングラスのおじちゃんが「振り込め詐欺に注意」と立て看板で言っています。
いつも「こんなのに引っ掛かるって、ありえるの?」と思っていましたが、それって自分?だとわかると余計情けなくなり目の前が見えなくなってしまいました。
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  1. 2012/06/15(金) 15:02:23|
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