NOCEの家具バイヤーズブログ 2015年7月3日 クロちゃんが舞った日

NOCEのバイヤーズブログ

2015年7月3日 クロちゃんが舞った日

今週も梅雨らしく、雨や曇りとジメジメした日が続きました。
そして7月に入りました。
海開きした海岸も多数あります。
ギラギラした太陽が苦手な人は今くらいの海がお奨めです。
少し寒いのを我慢すれば、クラゲや人が少なくて快適です。
ただし、今週末の関東沿岸部は雨みたいです。
週末、NOCE(ノーチェ)のある地域のお天気ですが、札幌の土日は恵まれ、新潟の日曜、広島の土曜を除いて雨や曇りと言ったはっきりしないお天気になるそうです。
お出掛けの際には、是非NOCE(ノーチェ)にお立ち寄りいただければと、お客様の御来店を全国スタッフ一同心よりお待ち申し上げております。

今週の新商品のご紹介は、木製アームのソファです。
0703-1.jpg

現在取引中のメーカーから、1年程前に特別価格にてオファーがあった商品です。
その後、サンプルとして1台だけ他の商品とともにコンテナに積んでもらい展示したところ好評だったので導入する事に決めましたが、それまで課題もありました。
1番の問題は、「組み立て式」でした。
サンプルの段階で簡単ではありませんでした。
もちろん、「組み立て式」は、商品代金が安いだけではなく、小さくなるので輸送料が大幅に削減できます。
ただ、「お客様組み立て」で難易度が高いとアウトです。
そのためメーカーに交渉してセットアップしての出荷を検討してもらいましたが、当然コストは上がります。
結果として市場での競争力は低下してしまうのです。
そしてデザインです。
このデザインは言わずと知れたデンマークのデザイナーのものですが、ジェネリックとして売られているものです。
ただ、細部にコストカットが施されていて構造も外見も若干違います。
またサイズも微妙に違いますが、これはかえってスッキリ見えるので○。
0703-3-2.jpg

こうしたデザインが「受け入れてもらえるかどうか」です。
とりあえず初回は、テスト販売として既存のソファのオーダーとともに60台コンテナに積んでもらいました。
特徴は、ナチュラルカラーのウッドフレームに鮮やかなカラーリングのファブリック、そして価格です。
まずアームのデザインですが、このサイドビューは巨匠デザイナーそのものです。
0703-2.jpg

大きく違うのはバックです。
0703-3.jpg

巨匠の方は縦に入るラダーバックでフレームが見えている状態で、背中のクッションとフレームが一体化していません。(このソファは一体化)
このため、厳密に言うと背もたれの高さが少し低めになり(あえて言わせていただくと)全体のバランスがいいような気がします。
フレームの木材はコストの関係でラバーウッドを使用しています。
0703-4.jpg

ファブリックのカラーはブルーと
0703-5.jpg

グリーンです。
0703-6.jpg

どちらの色もナチュラル色のフレームとの相性は抜群です。
インテリアの観点からカフェ系、ナチュラル系からシンプルとソファに個性があるのでお部屋の雰囲気作りの要になってくれそうです。
さて、価格ですが「組み立て済み」で59,800円(税込)とお手頃な価格設定となっています。
実物の雰囲気や座り心地を是非NOCE(ノーチェ)各店にてお確かめいただければと思います。

NC130ソファ 3人掛け
¥59,800(税込)
幅175×奥行75×高さ76(43)cm


それは5月初めの日曜日の事でした。
僕は、ベースを弾いていました。
するとベランダに置いてある「みかんの木」にひらひらと黒いアゲハ蝶が舞っていました。
しばらくすると、今度は綺麗な色をしたアゲハ蝶(ナミアゲハ)が舞いました。
その後、そっと「みかんの木」を見ると、なんと雄株の葉にひとつ、雌株の葉にひとつとたまごがそれぞれ付いています。
植木鉢の小さな「みかんの木」なのでアゲハ蝶もひとつしか産んでいかなかったのでしょうか。
この「みかんの木」ですが、3年前にアゲハ蝶をかえした時、みかんの葉を見つける事に苦労した事からホムセンで買ってきたものです。
それから3年、初めてです。
そしてこの木も育ったので産んでいったのだと思います。
今回、予想外なのはそれぞれ異なる蝶が違う木(同じ木ですが)にひとつずつ同時期に産んでいった事です。
蝶も木に付いている葉の量でたまごの数を決めるのでしょうか。
一週間後、直径1ミリくらいの黄色いたまごから2ミリくらいの黒い子供がそれぞれ生まれました。
この時、どちらがクロかナミかわかりません。
特に、クロアゲハは山椒の葉に産む事が多く、僕もみかんのクロアゲハは初めてでした。
さて、この「みかんの木」を部屋に入れるかどうか・・・。
部屋に入れれば責任もって蝶にかえさなければなりません。
それでも、外に出しておくと天敵が多いため蝶になる確率は低いと。
特にこの小さい時にハチにやられてしまうケースが多いのです。
という事で部屋に入れる事にしました。

すくすくと育っていきました。
餌がみかんの葉のため木から逃げる事はありません。
しばらくすると、ナミアゲハとクロアゲハの違いが見えてきます。
そこで、ナミちゃんとクロちゃんと命名する事にしました。
ナミは、体が小さいのですが始終動いて葉を食べますが、クロはのんびりで動きもナミの10分の1くらいのそのそしています。
ただ、ナミの木は葉が少なくおそらくこのままでは生きていけなくなるので、外にあるみかんの木から枝を折って継ぎ足しておきました。
クロもナミも順調に成長し体の色がグリーンになりました。
この頃になると葉の食べ方が多くなり、1日1枚食べてしまいます。
そして、オスメスの区別ができます。
よく動くナミがオスでクロがメスでした。
敵のいない葉っぱに囲まれた日の射す窓辺の毎日は、幸せそのものです。
そしてベランダの前の「みかんの木」の葉がだんだん無くなっていきます。
これを見ていたら、なんか「みかんの木」もかわいそうになってしまい、「みかんの木」を保護するため、ナミもクロも箱に移して外の葉を取ってきて育てる事にしました。
まずは、よく動くナミから。
箱に入れると隅々まで動き回り葉を食べます。
次に、クロを移動させるのですが木の幹にくっついていてなかなか葉に移動してくれません。
葉に移動した所を「葉ごと」移してしまおうと言うわけです。
待つ事4時間。
ようやく箱に移しました。
育った木を惜しんでいるのでしょうか、箱の中でじっとしています。
そして時間の経過とともに彼らの体に変調が来ます。
蝶になる準備である「さなぎ」になるのです。
この「さなぎ」になる前、この変調のためかとにかく動き回ります。
箱からの脱走も試みます。
「一体、自分、どうしたんだ!」と言った感じでしょうか。
ナミがさなぎになりました。
そして、のんびりのクロが箱の中を考えられない速度で動きまわった後に、用意した割りばしにぶらさがって「さなぎ」になりました。
さなぎになって11日後の土曜日の朝10頃、ナミが蝶になりました。
小さいアゲハでした。
箱から出して2時間後、羽根を乾かして飛び立っていきました。
クロちゃんは、まだ眠ったままです。
それから、毎朝チェックです。
朝、蝶にならなければ次の朝までなりません。
何故チェックが必要かと言うと、もし箱の中で蝶になってしまい長時間放置すると羽根をパタパタさせるので傷んでしまい飛べなくなることもあるからです。
しかも、仕事のある平日に蝶になってしまうと面倒見られません。
そして土曜日をむかえました。
朝、5時半この時期すっかり辺りは明るくなっています。
「今日も蝶になる気配なしか」と思っていたら8時半頃、
突然クロちゃんが蝶になってしまいました。
150703-000001_2015070316084662b.jpg

生まれたてなのでまだ羽根が濡れていて
150703-000002_201507031608480d3.jpg

脚もよちよちです。
150703-000003_20150703160851fa3.jpg

しばらく羽根を乾かした後、パタパタとし始めたので僕の指につかまらせて
150703-000004.jpg

寝室にある東向きの窓のカーテンに着けました。
s-0703-.jpg


クロちゃんはこれから敵の多い自然界へと飛び立っていかなければなりません。
黒い羽根が透けてまるで影絵のようです。
それから、待つ事3時間全く動きません。
のんびりしていた子供の頃のように。
そしていよいよ「フライトだ」と羽根を閉じるのですが、また羽根を開いてじっとしています。
150703-000006.jpg

これを何度も繰り返していました。
昼近く、カーテン脇のベッドのカバーを直そうと広げた瞬間、驚いたクロちゃんが突然飛んでしまいました。
でも全然、飛べません。
ダメです。
「ゴメン! クロちゃん!」
このままでは鳥の餌になっちゃうよー!
ひらひらと落下しながら、なんとか進むのですが隣の壁に当たって墜落しそうでした。
とその時、渾身の力を振り絞ったクロちゃんは方向をこちらに向けターンしたのです。
そして、なんと奇跡的にベランダの網戸につかまったのです。
僕は胸をなでおろしました。

僕「クロちゃんさっきはゴメン。驚かすつもりはなかったんだ。ただずっとそこにいるかと思ってベッド直しただけ・・・」
150703-000007.jpg

クロ「本当にビックリしたぁ。あんな大きな物見た事がなかったから思わず羽根が動いてしまったの。そしたらフワッと体が浮いて・・・でもね全然飛べなくて。このまま死んでしまうかもって。そしたら、見覚えのあるベランダが見えて・・・それから先はなんだか覚えてなくて。」
僕「本当に良かった。よく戻って来られた。そこなら安全だからゆっくりできるはず。
クロちゃん、下を見てごらん。覚えてる?クロちゃんが大好きだった、みかんの木」
クロ「エッ、これが?こんな小さかったっけ?」
僕「そう。いつも「のそのそ」上にいったり下におりたりって・・・何時間もかけてさ。」
クロ「やめて、のそのそなんて・・・・ただ日の光が気持ちよかったから」
僕「窓から中は見える?窓のヘリにあの育った箱があったんだよ」
クロ「もちろん覚えてる。いつもその横でベース弾いてたでしょ、そしていつも夜遅く帰ってきて、だんだん私に関心無くなってたみたいだったし」   
僕「あ、それはさぁ、クロちゃんがさなぎになっちゃったから・・・ね」
クロ「ねぇ、ドア開けて、中に入れてよ。そんな話するもんだから私、部屋に帰りたくなっちゃった、日に包まれてごろごろしたい」
僕「・・・・入れてあげたいけど・・・戻れないんだよ・・・蝶になったクロちゃんは狭いところを飛ぶと羽根を傷めてしまうから。」
クロ「そう私、蝶だったっけ・・・戻せない時間・・・2度と帰れない時空・・・」

それから2時間、クロちゃんは寝てしまったかのように動きませんでした。

僕「起きた?」
クロ「あー、眠い」
僕「夜になったらどうする? そこで一晩過ごせばいい。そして一生ずっとそこに居ればいい。どこからか花を摘んで持ってきてあげるから・・・」
クロ「・・・・・・・」
僕「そこでじっとしていて、彼が来たらさっと飛んでつかまえて、大好きなみかんの木にたまご産んで・・・そしたらまた僕が育てるから・・・」
クロ「あのー、少し言葉の意味がわからなくなってしまって・・・眠いからかなー・・みかんの木って・・・」
僕「大好きなみかんの木だよ!いつも太陽の下、上にのぼったり、おりたり・・・気持ちよかったよね・・・どうした?・・」
クロ「なんか、空が急に広がっていく・・」

それから更に1時間、午後4時、蝶になって8時間。

僕「ねぇ、ベースの事覚えてる?・・・」
クロ「・・・・・・・」
僕「それじゃクロちゃんのために1曲やるよ。えーーと。そうだなぁ。ちょっと古いけど
  山下達郎のRide On Time 旅立ちにピッタリかと思って」

ケースからこの間、工房に調整に出したばかりのコンディション最高のフェンダージャズ
ベースを取り出しリモコンをオンして曲とともに始めます。
スラッピングが効いた名曲です。(原曲ではフェンダーのプレシジョンベース)
曲が終わって。

僕「ねぇ、どう?」
クロ「・・・・ごめんなさい・・よくわからない・・・」
僕「よく、みかんの木の前で弾いてたじゃない・・」
クロ「ねぇ・・それよりここはどこ?・・・そしてさっきからずっと考えてたの。 あなた、いったい誰だっけ・・・?」
僕「いいよ・・・僕は覚えてるから・・・」
クロ「・・・・・どんどん空が近づいてくる、・・・・」
僕「さっき熱演しちゃって・・・ちょっとTシャツ着替えてくる・・・」

ベースをスタンドに立てて着替えて戻ってくるとクロちゃんはいませんでした。

僕「えー!なんで・・・突然・・・・挨拶なしって!」

急いで寝室の窓から空を見るとヒラヒラと黒い蝶が舞っていました。
そして彼方に消えて行きました。

クロ「だって・・・ありがとうって言ったら・・このままずっと飛べなくなってしまいそうだったから・・」

その日の夕方、下北沢の空が深紅に染め上げられていきました。
150703-000008.jpg

今頃、同じ空の下で舞っているのでしょうか。
150703-000009.jpg


僕は、しばらく見上げる空に「めそめそ」していました。
過ぎた時間にひらひらと蝶が舞っていました。

会話以外、全て事実です。
スポンサーサイト
  1. 2015/07/03(金) 16:11:51|
  2. バイヤー&スタッフのブログ